スパンボンド不織布のウォータージェット固着技術
公開日:
2020-03-13
水刺固着工法原理
水刺(射流噴網)技術による紡粘不織布の固着は近年開発された新しい工法であり、その工法原理は、水ポンプにより発生した最大40MPaの高圧水流を、直径0.15mm以下の水針板噴水孔から噴射し、不織布の全幅にわたって水針幕を形成することにある。高速度の水針がまだ固着されていない不織布に衝突し、不織布を貫通するとともに不織布の裏面で反射することで、繊維が互いに絡み合い、形状が固定され、ある程度の強度を持つ不織布が形成される。高圧水流は不織布を通過した後、濾過システムで処理され、循環使用される。固着後の不織布の水気を乾燥させれば、水刺布製品となる。
紡粘水刺不織布の特徴
熱ロール法紡粘布と比較して、水刺法紡粘不織布は、繊維網が損傷を受けていない、手触りが柔らかく通気性が良い、強度が高いといった特徴がある。これは、連続長繊維網を水刺法で固着すると、固着点は繊維の屈曲と絡み合いによって形成され、繊維は連続性を維持し、繊維網は損傷を受けないためである。一方、熱ロール法で固着された繊維網構造では、固着点は繊維と繊維網の一部が塑性化して形成され、繊維網は通気性の悪い薄片状になっている。水刺布は繊維が損傷を受けていないため、熱ロール法紡粘布よりも破断強度と引裂強度が高い。また、水刺布は熱ロール法紡粘布のように圧縮されていないため、同じ規格の水刺布は熱ロール法紡粘布よりも厚さが30~50%増加し、手触りが柔らかく通気性も良い。
紡粘法繊維網の水刺固着生産工程
水刺法で紡粘法繊維網を固着する場合、成網前の工程と設備は、一般的に熱ロール法で紡粘法繊維網を固着する生産ラインと同様であり、水刺システムと乾燥システムが熱ロール機に置き換えられるだけである。一般的に、単一成分の紡粘法繊維網を水刺法で固着する場合の生産工程は以下の通りである。
原料供給→スクリュー押出機→溶融体濾過→紡糸ポンプ→紡糸箱→溶融紡糸成網→予備湿潤→正面水刺→裏面水刺→真空脱水→予備乾燥→後処理→加熱乾燥・定型→オンライン検査→裁断・巻取→包装→製品
水刺システムの基本構成
水刺システムは比較的複雑なシステムであり、主に高圧水ポンプ、水刺機、水処理システム、乾燥システムから構成される。
高圧水ポンプは一般的に三柱塞式高圧ポンプであり、高圧の水源を発生させるために使用される。
水刺機は水刺工法の中核設備であり、繊維網を布に固着するために使用される。その動作方式から、主に回転ドラム式(ロール式)と平網式の2種類がある。
水刺生産ラインは稼働中に大量の工程用水が必要となるため、水処理システムは工程用水を回収し、浄化処理して循環使用するために設けられている。
乾燥システムは、機械脱水と加熱乾燥の2つの部分から構成される。機械脱水は一般的に負圧吸引方式を採用し、水刺システムから出てきて含水率が高い製品の大部分の非結合水を除去する。加熱乾燥には、一般的に熱風貫通式乾燥機を使用して繊維網中の水分を除去する。水分乾燥には大量の熱量が必要となるため、水刺布のエネルギー消費量も高く、生産コストは熱ロール法紡粘布よりも高くなるが、製品の品質は熱ロール法紡粘布よりも優れている。
繊維網に水刺固着工法を採用する場合、紡粘生産ラインの平面配置、立面配置、エネルギー供給、工場面積、投資規模、生産コスト、運転管理などは、通常の熱ロール法紡粘ラインとは大きく異なる。
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